【ネタバレあり】映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』のあらすじと感想

基本データ

タイトル:コンフィデンスマンJP プリンセス編
公開日:2020年7月23日
監督(以下敬称略):田中亮
出演者:長澤まさみ、東出昌大、小日向文世、小手伸也、織田梨沙、関水渚、柴田恭兵、江口洋介、北大路欣也ほか

登場人物

ダー子一味

ダー子(長澤まさみ):主人公。詐欺師。
ボクちゃん(東出昌大):詐欺師。真面目で小心者。
リチャード(小日向文世):詐欺師。ベテランでお茶目。
コックリ(関水渚):ダー子に拾われた、身寄りのない内気な少女。
五十嵐(小手伸也):詐欺師。ダー子にメロメロ。
モナコ(織田梨沙):詐欺師。ダー子の子分。

フウ家

レイモンド・フウ(北大路欣也):フウ家先代当主にして世界的大富豪。
ブリジット・フウ(ビビアンスー):フウ家長女。わがままで強欲。
クリストファー・フウ(古川雄大):フウ家長男。冷徹無比なビジネスマン。
アンドリュー・フウ(白濱亜嵐):フウ家次男。自由奔放な遊び人。
トニー(柴田恭兵):フウ家執事。頭が切れ、フウ家の幸せを一番に考える。

その他

赤星栄介(江口洋介):日本のマフィアのボス。ダー子たちを恨み、命を狙う。
スタア(竹内結子):詐欺師。ダー子が敬愛する人物。
ジェシー(三浦春馬):天才恋愛詐欺師。ダー子とはかつて恋仲?
波子(広末涼子):ハニートラッパー。以前リチャードが思いを寄せていた?

あらすじ

起 -準備-

10兆円もの莫大な遺産を残して亡くなったシンガポールの世界的大富豪、レイモンド・フウ(北大路欣也)
彼の遺産を受け継ぎ、フウ家の次期当主となるのは、長女ブリジット(ビビアンスー)、長男クリストファー(古川雄大)、次男アンドリュー(白濱亜嵐)のいずれかであると思われていたが、フウ家の執事トニー(柴田恭兵)が読み上げたレイモンドの遺言に記されていたのは、隠し子である末娘ミシェルの名前だった。

フウ家の跡継ぎとして突如名前が挙がったミシェルに世界の注目が集まるが、肝心のミシェルは行方不明、偽物ばかりが名乗り出る始末。

そのことを知った詐欺師ダー子(長澤まさみ)は、仲間のボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)と協力し、身寄りのない内気な少女コックリ(関水渚)をミシェルに仕立て上げ、自らはミシェルの母親に扮し、フウ家へと乗り込むのであった。

承 -潜入-

フウ家に潜入したダー子とコックリは、念入りな準備のおかげで、レイモンドの実子たちとトニーを騙すことに成功し、正式な相続の式典に向けてフウ家で教養やマナーなどを叩き込まれる日々が開始する。

一方、突然現れたミシェルを快く思わない実子たちは、あの手この手でミシェルたちに嫌がらせをする。
行き過ぎた嫌がらせに命の危険を感じたダー子たちは、遺産を諦め、仲間の手引きによりフウ家からの逃亡を図るが、心優しいコックリが、逃亡中にぶつかって転倒してしまった男性を助けていたせいで、2人ともSPたちに捕まり、屋敷へと連れ戻されてしまう。

実子たちからの挑発により心に火が付いたダー子は逃亡を撤回。
そんな折、ダー子は、フウ家の当主のみが所持することを許された権力の証、黄金の玉璽(ぎょくじ)の存在を知る。
ダー子は、闇マーケットに流せば1,000億円は下らないであろうその玉璽に目をつけ、相続式典で騒ぎを起こし、混乱に乗じて玉璽を奪って高飛びすることを計画するのだった。

その頃、ダー子の宿敵である日本のマフィア、赤星栄介(江口洋介)は、フウ家の内通者と連絡を取り、式典でのミシェルの暗殺に向けて着々と準備を進めていた。

転 -式典-

ついに迎えた式典の日、フウ家の人間や世界中の富豪たち、ダー子一味、さらには赤星、天才恋愛詐欺師ジェシー(三浦春馬)、ハニートラッパー波子(広末涼子)までもが会場に集っていた。

しかし、その中にトニーの姿はない。

実は式典の直前、ダー子が自らとレイモンドの恋仲を示す証拠として提出した2ショット写真が合成であることが判明、写真に写っていた本当の人物であるシティーの元を訪問していたのである。
シティーに話を聞いたトニーは、レイモンドが「息子でも娘でも名前はミシェルに」と言い残していたこと、シティーが事故に遭い、本物のミシェルは産まれる前に他界していたことを知る。
「親愛なるシティーへ」という書き出しで始まったレイモンドからの手紙をトニーはシティーから買い取り、式典の会場へと向かうのだった。

一方、会場ではコックリが次期当主としての宣誓を終え、式典はピークを迎えようとしていた。
そして赤星がいよいよピエロに扮した女殺し屋2人に指示を出そうというところに、内通者から1本の電話が入る。
電話の主はアンドリューだった。

次男かつ落ちこぼれの自分が当主になることはないが、相続人とされているミシェルが殺されれば、遺産は法に従って自分にも分配されると考えていたのである。

ところが、アンドリューは暗殺直前に心変わりをしていた。
式典までのコックリの優しい人柄に心打たれたアンドリューは「暗殺は中止だ」と赤星に指示を出す。

しかしそれを無視して電話を切る赤星。
そのまま暗殺が実行されるかに思われたが、赤星も玉璽の存在に気付き、さらにそれをダー子が偽物とすり替えたことに気付く。
玉璽をダー子から奪い、フウ家を支配することを目論んだ赤星は、暗殺を中止する。

式典は終盤に差し掛かり、あとはフウ家に恨みを持つ人間に扮した五十嵐(小手伸也)が騒ぎを起こし、混乱に乗じて高飛びするだけというところで、さらに事件が起こる。

爆弾を所持した一般人が式典に乱入、アンドリューを人質に取り、「フウ家の人間にしか恨みはない。他の人に危害は加えないからフウ家の人間だけ出てこい」と要求してきたのである。

怖気づいて名乗り出ないブリジットとクリストファー。
そんな中、前に歩み出たコックリは爆弾犯に対して「覚えていますか」と声をかける。

そう、その爆弾犯はコックリが逃亡中に助けた男性だった。

コックリの説得により犯人はアンドリューを解放、警察に連れて行かれ、式典は無事に終了した。
その一部始終を見ていたトニーは密かに手紙の「親愛なるシティーへ」の部分を切り取り、実子3人とコックリを別室に呼び出した。
そして4人に、手紙に書かれていた内容を告げる。

当主はミシェルに継がせたい。
しかしそれは、実子3人のためを思ってのことである。
本来3人は権力争いに参加するような人間性ではなく、自分が作り出した環境によってそのような生き方をさせてしまった。
愛する3人の子供たちに本当の願いを叶えさせてやるため、次期当主という重荷をミシェルに背負わせること、どうか許してほしい。

父からの愛を欲していた子供たちは、遺言の理由が自分たちへの深い愛情にあることを知り、ミシェルの相続をついに認め、和解する。

子供たちに幸せをというレイモンドの意志を汲んだトニーも、真実を心のなかに秘めておくことに決め、ミシェルを相続人として認める。

晴れて当主となったコックリは、ダー子たちの元へ戻ろうとするが、ダー子たちの姿はない。

実はダー子たちはコックリが別室へ連れて行かれた直後、赤星一味に見つかり、連行されていた。
玉璽を奪い取った赤星は、抵抗するダー子たちを、雇った女殺し屋たちを使って皆殺しにした。
腐れ縁からか、ダー子たちに少なからず親近感すら抱いていた赤星は、ダー子たちの無意味な抵抗と、あっけない最期に悲しそうな表情すら浮かべて現場を去っていく。

結 -タネ明かし-

砂浜に出たコックリ。
なんとそこには殺されたはずのダー子たちの姿が。

時は玉璽発見時まで遡る。

玉璽の存在を知ったダー子は、赤星も同様に玉璽を狙ってくることを予測していた。

赤星が見ている前で本物の玉璽と偽物の玉璽をすり替えたかのように見せたダー子だったが、実際はすり替えたように見せかけただけで、コックリに返した玉璽こそが本物であった。
つまり、ダー子が所持していた玉璽は最期まで偽物で、赤星はそれを本物だと思ってダー子から奪取したのである。

さらにダー子たちは殺し屋まで特定していた。
弟子であるモナコ(織田梨沙)を殺し屋のところに送り込み、ジェシーの存在を認知させておき、パーティー会場でジェシーに彼女たちを騙させ、拘束させていた。

ダー子たちを殺したと思われた殺し屋は、モナコと波子の扮装で、投げたナイフは予め仕込んでおいた血糊袋に命中していただけであった。

玉璽を鑑定させ、偽物だと知らされた赤星は、今回もしてやられたと知り、怒りと諦めで高笑いをする。

一方、砂浜でダー子たちに再会したコックリは、自分も一緒に連れて行ってくれと願い出る。
しかし、それを断るダー子。
人助けをしてしまうような、爆弾犯を見捨てて逃げないようなコックリは詐欺師には向いていない、フウ家の当主として暮らしていくほうが幸せだと。

そうしてコックリとダー子たちは別れ、コックリはトニーにところへ戻っていくのであった。

が、トニーもコックリも知らないさらなる裏がそこにはあった。

コックリと別れたあと、ダー子は1本の電話をかける。
相手はダー子の敬愛する詐欺師スタア(竹内結子)だった。

実は、トニーに真実を話し、手紙を託したシティーの正体は、スタアだった。
そしてレイモンドがシティーに宛てたとされる手紙自体、スタアがレイモンドの筆跡を真似て作成した真っ赤な偽物だったのである。
ダー子は実子たちと接する中で、彼らの本当の性格を読み取り、予めスタアに依頼をしておいたのだった。

こうして、今回は実入りがないながらも、居場所がなかったコックリに居場所を与え、その優しさで世界を良くするきっかけを作り、またしても赤星を騙すことに成功したダー子たちは満足そうに帰っていった。

が、そこにはダー子たちすら知らない裏があった。

時は前作『コンフィデンスマンJP ロマンス編』まで遡る。
香港で、訪れた店の店主が後継者問題で苦労していることを知ったダー子は、店主に対して「架空の隠し子をでっち上げ、相続人として指定すればいい。店を狙って世界中から優秀な詐欺師が集まる。その中から一番優秀なやつを選べば、本当の跡取りよりもよっぽど優秀だろう」とアドバイスする。

この発言を近くの席で盗み聞きし、「なるほど」という人物がいた。
生前のレイモンドである。
そして、レイモンドはダー子の肩にポンと手を置き、去っていった。

つまり、ダー子たちが巻き込まれた一連の相続問題自体、生前のレイモンドが仕組んだ嘘であり、隠し子ミシェルなど最初から存在しなかったのである。
そんなことなど知る由もなく、浮かれているダー子たちなのであった。

感想

どんでん返しに次ぐどんでん返しで、特に後半は見逃せない展開が連続した。
主人公自身もある意味では騙されていたというのも、なかなか面白い展開だったと感じる。

キャストが豪華で、ちょい役としてデヴィ夫人やGACKTが出演しているのも見どころである。
また、コロナの影響でほとんどの映画が公開延期となっていたため、久しぶりに劇場で映画を見ることができて楽しかった。
コメディー要素が混ざりつつも、しっかりとした騙し合いを見たいという方におすすめしたい映画である。

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