たった5分でわかる『一生忘れない読書 -100分で3回読んで、血肉にする超読書法-』

『一生忘れない読書』の表紙画像 読書

2020年7月に初版が発行された本。

著者のジョン・キム氏は韓国生まれの作家。
日本への国費留学、英オックスフォード大学知的財産研究所客員上席研究員、米ハーバード大学インターネット社会研究所客員研究員などの経歴を持ち、慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ総合研究機構特任准教授として勤めていたこともある。

本書は、本を読む時間がない人、本に書かれた内容をすぐに忘れてしまう人などへ向けて、著者の経験に基づく、戦略的/効率的/効果的/主体的/実践的な読書の方法を記したものとなっている。

ページ数はあとがきまで含めて220ページあまりだが、主張がわかりやすく、非常に読みやすい構成となっているため、ページ数から想定するよりもかなり短い時間で読むことができる。

100分で3回読むということ

2種類の読書

読書は大きく分けると2種類ある。

ひとつは「文芸書」
これはその作品自体を楽しむためにする読書である。

もうひとつは「実用書」
こちらは文芸書と異なり、何か目的があり、それを達成するための手段として行う読書である。

前者は自由に作品に没頭し、好きなだけ時間をかけて読めばいい。
一方、後者はあくまで目的を果たすための手段に過ぎないということを理解し、できるだけ効率的に内容を把握しなければならない。

後者に対して筆者が提案するのが「100分で3回読む」という読書法であり、本書が解説しているのがその方法である。

「100分で3回読む」とは

筆者が実際に推奨している読書法は「短時間に3回読み、本に直接メモを書き込んでいく」というもので、それを一般的な200ページ程度のビジネス書や実用書の場合に具体的に表現すると「100分で3回読む」ということになる。

その際には、「読むこと」自体ではなく、「自分の人生に役立つ読み方をすること」に重点を置かなければならない。

時間的に節約ができ、効果を発揮しながら実践にも役に立ち、自分の思考力を磨け、創造的にもなれる、そういった読書を目指す。

なぜ「100分で3回」なのか

100分という時間を定めているのは、私たちに与えられた時間が有限だからである。

100分で3回読むとなると、超人的な速読術を持っている人以外は、一字一句綿密に読み込むことはできない。
つまり、いらない部分は読み飛ばす必要がある。

そして、この「必要ない部分は捨てる」という行為は、同時に「必要な部分を拾う」という行為でもある。
時間を定めて読むからこそ、本当に必要な部分、筆者が真に主張したい内容を的確に捉えることができるようになる。

ところで、時間が有限なら100分ではなく、それ以下の時間で読んでもいいのではないか、と思われる方もいるだろうが、そのとおり。
実際、筆者は1冊にかける時間は60分だという。
それに、短時間での読書は習慣化しやすいというメリットもある。

また、3回読むのは、長い時間をかけて1回読むよりも、同じ時間で読み方を変えて繰り返し読んだ方が理解が深まるため。
ただし、経験則から言うと、4回目以降は理解度の飛躍的な向上は見込めない。

1回目 ~スキーミング読み~

1回目の読書では、10分で全読み(スキーミング読み)を行う。
その目的は、著者が本当に伝えたい1~3個程度のメッセージをキャッチすることと、本の構造を把握すること。
構造を理解してから2回目の読書をすることで、理解度は大きく向上する。

当然のことながら、10分で200ページ程度の本を読むとなれば、相当な量を読み飛ばさなければならない。
8割は捨てるくらいの気持ちで、本当に必要な、根幹に関わるような内容を拾い上げていくことを意識する。
最終項目や「終わりに」から読み始めるのもひとつの手だろう。

2回目 ~本読み~

2回目の読書では、50分をかけて詳細を理解していく。

重要なのは、全体を見渡し、詳細を見極めること。
1回目の構造把握を活用し、全体を見渡しつつも、要所要所にフォーカスを当てて読んでいく。
時間は50分と、1回目と比べると格段に長いが、やはり重要でない部分は読み飛ばす。

黄色い蛍光マーカーなどを手に持ち、気になるところに線を引いていく。
これは3回目の読書につながる行動で、ある意味では「線を引くために2回目の読書を行う」と言い換えてもいいかもしれない。

3回目 ~深読み~

3回目の読書では、40分をかけて深く読み、理解度を高めることを目的とする。

まずは2回目にマーカーを引いたところを重点的に読み、その中で特に重要だと思うところに別の色(赤やピンク)のマーカーを引いていく。
この作業を最初の10分で完了させる。

残りの30分を使い、3回目にマーキングしたところを中心に読み、本にじかに書き込みをしていく。

書き込みする内容は、まず写し書き。
写経のイメージで、同じページ内の空いているスペースに大事なことを書き写す。

さらに、「ここは大事だ」というページに、感じたこと、思ったこと、浮かんだことなどを書き込んでいく。
書き込む内容は、抜き書き、言い換え、自分の意見、著者への質問など、何でも構わない。
とにかくアウトプットをすることが大切。

アウトプットをすることで、初めて内容が自分の中に入り、強力なインプットとなる。
人間の記憶力は当てにならないもので、読むだけでは内容を忘れてしまう。
メモを書いていくことで記憶力は高まる。

最初からアウトプットするつもりで読むことで、理解度は上がる。
本への書き込みが一番手っ取り早いが、ブログに書いたり、友人に話したりしてもいい。

まとめ

読むことそれ自体とは異なる何らかの目的を持った読書について、内容を身につけるための効果的な読書方法とアウトプットの仕方が解説された1冊だった。
他にも、本の選び方や、筆者がおすすめする作家などについても書かれているので、気になる方は手にとってみると良いだろう。

 

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