世界一やさしい問題解決の授業

世界一やさしい問題解決の授業 読書

2007年6月に初版が発行された本。

著者の渡辺健介氏は株式会社デルタスタジオ児童・企業向けに思考力やリーダーシップを養う教育・研修を行っている株式会社デルタスタジオの代表取締役社長であり、過去にはマッキンゼー・アンド・カンパニー在籍、ハーバード・ビジネススクール卒業などの経歴を持つ。

本書は、著者がこれまでの経験で培った問題解決手法をわかりやすく解説した本である。
「授業」となっているのは、子供を持つ両親や教師を視野に入れているためだが、それ以外の人も問題なく実践できるような内容となっている。

ページ数はあとがき等まで含めて120ページ弱、具体例が豊富でかなり読みやすい本となっている。

問題解決能力を身につける

問題解決能力があれば、自分で主体的に考え、決断し、行動することができる。

問題解決能力とは選ばれた人にのみ与えられるような才能ではない。
ある種の「癖」のようなもので、自分で考え、行動する経験を積み上げることで自然と身についていく。
その「癖」をいかに早く身につけられるかが重要である。

問題解決の流れは次のとおり

  1. 現状の理解
  2. 原因の特定
  3. 打ち手の決定
  4. 実行

分解の木

「分解の木」とは、問題解決をする際に役立つ手法のひとつで、どのような原因があるかを漏れなく探し出すときや、どのような打ち手があるかアイディアを幅広く具体的に洗い出すときに重宝する。

書き方としては、まず解決したい問題や考えたい事象を書き、そこから木が枝分かれするように問題(事象)を構成する原因(要素)を書き出していく。

 

分解の木

このときのポイントとしては、最初からびっしり細かい木を書こうとしないこと。
まずは、メモ書きでも良いからアイディアをリストアップした上で、似た者同士をグループ化していくのが良い。

問題の原因を見極め、打ち手を考える

先述の「原因の特定」と「打ち手の決定」について、もう少し詳しく流れを見ていくと次のようになる。

  1. 原因の特定
    1A 原因としてありえるものを洗い出す
    1B 原因の仮説を立てる
    1C どんな分析をするか考え、情報を集める
    1D 分析する
  2. 打ち手の決定
    2A 打ち手のアイディアを幅広く洗い出す
    2B 最適な打ち手を選択する
    2C 実行プランを作成する

原因の特定

原因の洗い出しには分解の木を使うと良い。
洗い出しと仮説の設定が済んだら、次は仮説が正しいかどうかを検証する段階に入る。

仮説の検証では、「具体的な課題は何か」「現時点での仮説とその根拠は何か」「仮説を確かめるには、どんな情報を集めて分析する必要があるのか」を明確にすると、問題解決の確率がグンと上がる。

その際には、下図のような課題分析シートを作って整理すると良い。

課題分析シート

情報収集と分析を行い、原因を明確にすることで、具体的な打ち手を考えられるようになる。

打ち手の決定

原因を明確化したら、打ち手のアイディアを洗い出す段階に入る。
その際にもやはり分解の木が役に立つ。

洗い出しが済んだら、その中から最適な打ち手を選択する。
選択のポイントは「効果」と「実行のしやすさ」

この2つを縦軸と横軸にとったマトリックスを作成するのがおすすめ。

マトリックス

アイディアをマトリックス内にプロットし、右上にあるものから優先的に実行する。
次に左上と右下から選び、左下にあるものはやめる、というのが基本的な考え方。

打ち手が決まったら、最後に実行プランを作成する。
作成時には、具体的に何をしなくてはいけないのか、誰が担当し、どのタイミングで行うのかを打ち手ひとつひとつについて、書き出していく。
スケジュールを立てる際には、期日から逆算して、時間配分を考えるのがポイント。

目標を設定し、達成する方法を決める

今度は問題解決ではなく、目標達成の方法について考える。

大きく分けると、流れは次のとおりになる。

  1. 目標を設定する
  2. 目標と現状のギャップを明確にする
  3. 仮説を立てる
    3A 選択肢を幅広く洗い出す
    3B 選択肢を絞り込んで仮説を立てる
  4. 仮説が正しいかチェックする
    4A 仮説に沿って情報を集める
    4B データを分析し、チェックする

まず、目標設定では「何を」「いくらのものを」「いつまでに」「どうやって」など、なるべく具体的に決めることが重要となる。
(例:どうすれば、半年以内に、6万円のさくら社製の中古パソコンを、人にお金を借りずに、お金を貯めて買うことができるか)

目標を設定したら、現状とのギャップを明確にする。
そして分解の木で選択肢を洗い出し、「仮説の木」で選択肢を絞り込む。
仮説の木は分解の木と見た目は似ているが、こちらは、話の筋道を整理するのに役に立つ。

仮説の木

仮説を立てたら、次は課題分析シートを使って仮説の検証をする。
必要なデータを集め、分析し、チェックを行う。
そして最後にしっかり実行をする。

「よいプラン」と「着実な遂行」があって初めて目標が達成できるのである。

その他の意思決定ツール

巻末では、これまでに紹介したもの以外の意思決定ツールが2つ紹介されている。
どちらも、先述のマトリックスの代用として利用できるので、状況に応じて使い分けたい。

良い点、悪い点リスト

様々な選択肢について、それぞれに良い点、悪い点を洗い出し、意思決定を間違いなくきちんとできるようにする方法。

手順は次のとおり

  1. 選択肢を洗い出す
  2. 各選択肢について、良い点と悪い点を書き出す
  3. 書き出した各項目について3段階程度で評価する

評価軸✕評価リスト

こちらは同時にたくさんの選択肢を比較するときに役に立つ。

  1. 選択肢を洗い出す
  2. 各選択肢について、評価軸を書き出す
  3. 各評価軸の重要度を決める(3~5段階程度)
  4. 決定した重要度をもとに各選択肢を評価する
  5. 最も魅力的な選択肢を選択する

まとめ

問題解決や目標達成の方法について詳しく解説された本だった。
内容は基本的ではあるが、基本的なだけに最も重要で、あらゆる事象に対応できるとも言える。

本記事では、エッセンス部分のみを抽出してあるが、実際の書籍では具体例が大部分を占めており、非常にわかりやすい解説となっているのでおすすめである。

 

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