読書をお金に換える技術

 

目を引くダイレクトなタイトルかつ興味分野であったために購入。

僕の本職はサラリーマンであり、読書は趣味という位置づけだが、趣味ついでにお金を稼ぐ技術が得られるなら申し分ない。

読み始めてすぐに感じたのは「綺麗事を書いた本ではない」ということ。

大体この手の本というのは綺麗事が並べてあるだけのことが多い。

例えば「本を読んで人格を磨けば自然と収入が上がる」とか「お金のことは考えずに行動してみよう」といった具合だ。

まったくもって的はずれな話である。

人格を磨いたり、お金のことを考えずに行動したくらいでお金が増えるなら誰も苦労しない。

そういったケースもゼロではないだろう。

ただ、それは上記のことを実践したからお金持ちになったんじゃなくて、お金持ちがたまたま上記のことを実践していたというだけである。

彼らが言うことは僕たち一般人には当てはまらない。
もし当てはまるならそれは運が良いか天才かのどっちかである。

なので、もしあなたが買った本が綺麗事しか書いてない本だと判明したら、その時点で捨てるなり売るなりしてしまおう。
最後まで読み終えたところで購入代金が返ってくるわけでもないし、時間のムダだ。

その点、この本は違う。

著者の千田琢哉氏が言うとおり、「ひたすら稼ぐためだけの読書について」書かれている。

さて、本書は稼ぐためだけの読書について50個の項目に分けてコツが記されている。
1個あたりの内容は2~3ページにまとめられているので、空いた時間に読みやすい。
移動中の読書にも適している。

50個の中で個人的に特に印象に残ったものは以下のとおり。

つべこべ言わず、まずベストセラーを買え。

どの本を読めばいいのかわからないならとりあえずベストセラーを買っとけ、という趣旨。
要するに悩むくらいならとりあえず行動してみろという話だ。

これは読書に限らず当てはまると思う。
僕の周りでも自分の力でガンガン稼いでいる人はとにかく行動が早い。
挑戦に躊躇いがない。

それに、ベストセラーは普段本を読まない層にも売れるからベストセラーなわけで、つまり読書慣れしていない人でも読みやすく書かれているから読むのが楽である。

スタート地点が自分と同レベルの著者は狙い目。

著者プロフィールを見て、スタート地点が自分と同レベルの著者の本は参考になる。

もっともな話だ。
境遇が似ていれば似ているほど、出会う困難や解決法も似てくるのは当然の話。
先人の教えに黙って従えばいい。
それで上手くいかなかった場合に他の方法を模索したほうが効率的だ。

あなたが中小企業でこき使われるサラリーマンで、独立を目指しているのだとすれば、かつて似た境遇だった著者を見つけて真似ればいい。
間違っても、年商1,000億の企業の社長の息子として生まれて親から事業を引き継いだ人の本など参考にしてはならない。

具体例が豊富な本は、お買い得。

業界や立場に関係なく、具体例をどんどん取り込んでいけという話。

多分、当ブログを読んでいる人の多くが経験しているが、「まあ、言いたいことはわかったけど、結局具体的には何すればいいの?」に対するひとつの答え。
抽象→具体にする作業をわざわざ自分でやる必要はない。
具体が最初から書いてある方が手っ取り早い。

出かける際には、必ずペンと本を携帯する。

これについては実は僕も以前から似たようなことを実践していた。

アイデアはふとした瞬間に思いつくことが多い。
本書では読書をしている時が挙げられているが、個人的な経験で言うと、もっと何気ない瞬間においても刹那的に浮かび、消える。
例えば家の鍵を締めた時、布団に入った時。

なぜだかわからないが、こういったアイデアは次の瞬間には記憶の彼方に消えている。
それを逃さないために思いついたらその場でメモる。

でも、わざわざペンを持ち歩く必要はないと思う。
スマホという便利なものがあるのだからそこにメモれば十分。

本は最後まで読まなければならないのではなく、読んでもいいのだ。

「本を最後まで読まなければならないという固定観念を取り除くだけで、人生の自由時間は一気に増える」

冒頭で書いたことに通ずるが、読んでも何も得られないような本を最後まで我慢して読むのは苦痛だし、時間も無駄だ。
このことを理解できない人はいないだろうが、実践するとなると難しい。

手元にその本があるということは大抵の場合、自分で買ったということだ。
その本を無駄だと判断し、途中で投げ出すことは過去の自分の否定にほかならないからである。
ただし、過去の自分が間違っていたと認め、素直に行動することは時間の捻出、すなわち次のステップアップのチャンスに繋がるのは間違いない。

 


読書記事の第一弾として本書を選んだが、冒頭に書いたとおり、本質を的確についてくる著者で、わかりやすかった。
別の作品も読んでみようと思う。

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