残業平均40h/月以上の部署で年間残業ゼロを達成した話

退社する男性のイラスト 役立ち

はじめに

世の中は望まれない残業で溢れている。
街を歩けば深夜まで明かりが煌々と灯っているオフィスビルが目に入るし、SNSには残業に対する苦痛のつぶやきが日々投稿されている。

我が職場も例外ではなく、20~40代を中心に社員は日々膨大な量の仕事に追われ、その残業時間は申告されている分だけでも月平均40時間を超える。

そんな中、僕は2019年、年間で残業ゼロを達成した。

この記事では僕が残業ゼロを達成するために心がけた行動を綴っている。
とは言っても、何か特別なことをしているわけではない。
一言で言えば、若手に対する理不尽な扱いを上手くいなしただけである。

この記事で書かれている内容が、望まない残業の削減へとつながるのであれば幸いである。

自己紹介

ある程度バックグラウンドに関するイメージの共有をしておいたほうが良いと思うので、僕の現在の状況について書いておく。

僕の会社はグループ全体で社員10万人を超える大企業で、手掛けている事業も非常に多岐にわたる。

僕はある業務セクションの中のA部のa課に所属している平社員で、A部の下には他にb,c,d課が存在する。
関係性としては、b,c,d課は現行の事業を回し、a課は新事業の立ち上げと部全体の管理(庶務、予算など)を担当しているといった具合だ。

所属人数は管理職を含めてa課で30人ほど、A部全体で130人といったところ。
月の平均残業時間はa課が40時間、b,c課が10時間、d課は5時間程度。

僕自身は2019年の4月に他の部からa課に異動してきた。
メインで担当している業務はA部及びa課の庶務全般(2019年4月当初、後に増えた)

当初の担当業務は前任からそっくりそのまま受け継いだもので、前任の残業時間はちょうどa課の平均と同じ40h/月ほど。

なぜ残業しないのか

僕が頑なに残業をしない理由について。

それについて書く前に、なぜ残業が発生するのかを考える。

付き合い残業みたいなものを除けば、残業する原因は大きく分けて2つ

  • 仕事量が多い
  • 仕事効率が悪い

これに尽きる。

まず、周りに比べて仕事効率が悪いとすればそれはもう個人の責任で、改善していかなければならない。
ただ、その方法についてはググればいくらでも出てくるし、特別なことはしていないので、本記事では詳しくは説明しない。
一応、軽く書くと、次のようなことを心がけている。

  • スケジュール管理
  • 机上や共有フォルダ、メールの整理整頓
  • WordやExcelのスキルアップ
  • スキマ時間の有効活用

一方で、「仕事量が多い」には2パターンある。

  • 元々の分担が異常に多い
  • 頑張って仕事を効率化した結果、分担を増やされる

ここからが「なぜ残業しないのか」に通ずるわけだが、上記のいずれにせよ、多くの日本企業に共通している傾向として言えるのが、膨大な量を頑張ってこなしても昇給やボーナスとして還元されることはほとんどないということである。

本当にアホらしい。
残業をして残業代が入るというのは当たり前の話(それすら守っていない企業もあるが)
それに加えて、人より成果を上げた者に対して上乗せの評価があるというのが当然である。

しかし実際はそれがない。
仕事ができる人間に仕事が集まるだけ。
まさに労働力の搾取。

終身雇用制度が崩れつつある現代において、そんな企業に対して忠義を尽くして働くメリットなどない。
むしろ、少しでも多く仕事以外の時間を捻出し、スキルアップやリフレッシュに割くことを考えるべきである。

そう気付いた僕は、「やりがい」「義理」「成長」などの言葉とともに押し付けられる仕事を徹底的にブロックし、定時に帰ることを徹底した。

以下に、具体的なエピソードを交えて紹介する。

今日ちょっとだけいい?

着任早々のある日の定時間際、上司が僕にかけた言葉である。
「今日ちょっとだけ残業してくれないか?」という意味である。

その時の状況から、彼が上司と部下という力関係を利用して僕を小間使いにしようとしているのは明らかだった。
だから、彼に対する僕の返答はこうだ。

「今日に限らず基本的に無理ですが、今日は3分だけなら大丈夫です」

この時点で既に重要なポイントが2つ登場している。

ひとつは着任早々に残業しない人間であると明言していること、もうひとつは3分だけという表向きの譲歩を見せているということだ。

上司と言えど人間、一度頼んだ相手に対してはハードルが下がり、二度三度と頼んでくるものである。
時間だって数分→30分→1時間と伸びていくことだろう。
だからこそ、最初の時点で完全にシャットアウトすることが大切。

とは言え、ただ「やりません」では角が立つというもの。
だから「3分だけなら」という譲歩を見せる。

実際、3分という短時間で済ませられるようなことをわざわざ定時間際に頼んでくるとは考えにくい。
だから「3分だけならやります」は実質的には「やりません」と同義なのだが、言い方を少し変えるだけで表向きには「ぜひ協力させていただきたい」と言っているような感じになる。
協力したいというスタンスを示している以上、上司の側としても強くは言いにくい。

定時ダッシュ

定時に帰るという宣言は非常に大切だ。

しかし、宣言するだけで実践しないのでは全く意味がない。
むしろ「なんだかんだ言って残業するんじゃん」と思われてつけ入る隙を与えることになってしまう。

「定時に帰る」と宣言し、実際に定時になった瞬間に帰る。
これによって、定時退社する人間であるというキャラクターを確立する。

これを続けていると上司もそれに慣れてきて、定時間際に何か頼まれるとしても「これ、明日やってください」と言われるようになる。

あれ、定時大丈夫でしたっけ

定時を大切にしていることを示す方法は他にもある。

以下は実際に僕から他部署の人(佐藤さん)へかけた電話内容の一部だ(時刻は17時5分)

「お世話になっております。A部a課の庄野です・・・あっ、すいません、佐藤さんの定時って17時でしたっけ?後日かけます」
「いえ18時なので大丈夫ですよ」
「そうでしたか。ありがとうございます。お電話したのは○○の件で・・・」

実際のところ、僕は佐藤さんの定時が18時であることを知っていた。
知っていてあえてこのやり取りをしたのである。

この数秒の会話によって、僕の電話が聞こえる範囲の人と佐藤さんに「僕は自分だけでなく他人の定時も大事にする人間です。(だからあなたも私の定時を邪魔しないでください)」とアピールできる。

これ至急でやって

多分ほとんどの人が若手のときに言われた経験があるのではないだろうか。

しかも大体そういうことを言ってくる人は決まっていて、スケジュール管理がずさんで、面倒なことは人に押し付けようとするタイプの人間である。
管理がずさんなだけなので、実際のところはそこまで至急でないことも多い。

僕も片方の上司(年度途中で別の仕事との兼務となり上司も増えた)がそのタイプで、しょっちゅう「至急で」を投げてくる。

対応策は単純だ。

  • 本当に至急なのかどうか調べて、違ったらしばらく放置する。

これだけだ。

向こうの言うテキトーな「至急」にとりかかるために今やっている作業を中断する必要など全く無い。

横槍を入れられないことそれ自体もメリットだが、この方法の真のメリットは別にある。

そんないい加減な人間だから、彼らは「至急」から2,3日も経てばまた別の「至急」を投げてくるのだ。
放置しておいた「至急」はこのときに価値を発揮する。

つまりこうだ。
「係長から言われた先日の至急がまだですが、どちらの至急を先にやればいいですか」

そうすると向こうは
「じゃあこっちは自分がやるのでいいです」
と引き下がることが多い。

ポイントは「相手に選ばせる」ということだ。
あくまでも自分はどちらを先にやればいいか聞いただけである。

すぐに取り掛かっていたら2件こなさなければならなかった「至急」が1件で済むので、その分自分自身の仕事を進めることができる。

今から打ち合わせやるから入って

これは本当に最悪だ。
予定していなかったイベントで1,2時間削られてしまう。
もはや事故と言ってもいいレベル。

もちろん本当に有意義な打ち合わせなら積極的に参加するべきだ。
しかしながら、実際のところは打ち合わせというよりは管理職への報告会であることも多い。

アイデアを出し合うわけでもなく、ただ淡々と進行状況や今後の見通しを説明するのに何人もが連れ立って参加する必要があるだろうか。

だが、そんなことは直属の上司だって百も承知だし、優秀な管理職だってわかっている。
問題は一部の管理職で、彼らはいまだに「参加することに意義がある」などと考えている。
彼らに文句を言われないようにするために、直属の上司は部下を横に置いておくのである。

だから、そういった場合にはこちらから助け舟(打ち合わせに出ない理由)を出す。

「書類作成の期限がせまっているので、打ち合わせの方は係長だけでお願いできますか」
あるいは
「打ち合わせは僕が出ておきますので、係長は至急の書類作成の方やっていただいていいですか」

これだけでいい。
仕事が停滞している責任を問われたくないので、さすがに「一部の管理職」も「仕事を中断して打ち合わせに参加しろ」とは言わないことが多い。

いつもやってもらってるんだけど

ある日、b課の課長が僕のところに庶務案件を持ってきた。
繰り返しになるが、僕は「A部」及び「a課」の庶務担当であり、「b課」の庶務担当は別に存在する。

そのことをb課長に伝えると次のような返事が返ってきた。
「え、だって鈴木さん(b課庶務担当)がこれは君の仕事だっていってるよ」

あまりに意味がわからないので鈴木さんを呼び出して聞くと返事はこうだ。
「いやーこれはいつもa課さんにやってもらってるんですよねー」

いつも???
どういうことなのか。
そこで今度は前任者に話を聞いた。

「あーb課って何かと理由をつけてこっちに押し付けてくるんですよ。俺もそうだったんですけど、庶務担当って新人のことも多いから押し切られちゃうんですよね」

なるほどそういうことか。
b課は以前から新人の立場の弱さ、知識の少なさにつけ込み、自分たちの仕事を押し付けてきたのである。

事情がわかったので、鈴木さんを呼び出し、b課の仕事なのだからa課でやる理由は皆無だし、来年以降もやるつもりはないのでb課でちゃんと処理するようにと伝えた。
当たり前だが、反論の余地がないので鈴木さんは大人しく受け入れて自分で仕事を処理した。

鈴木さんはまだまともな方だったが、人によっては「責任感が足りない」などと責めてくる可能性もある(どう考えても仕事を押し付けようとしているあなたの方が責任感が足りないわけだが)
そんなときのためにも、業務分担についてはきちんと把握し、いつでも反論できるように準備しておいた方がいい。

家の近くのコンビニでバイト募集してるんすよ

上司がいる場で先輩と談笑しているときなんかに僕がたまにする発言である。
別にコンビニである必要はない。
スーパーでもいいし、フリーランスになろうかなでもいいし、友人の会社に誘われているでもいい。

要は「この会社にこだわりはないので、割りに合わないと思ったらいつでも辞めるつもりです」と暗に意味しているのである。

もちろん角が立つので明言はしないし、冒頭の発言も冗談めかしたポジティブな感じで言うことがポイントである。

あくまでも上司に「あんまり理不尽なことするとこいつ辞めちゃうな」と気付かせるだけで良い。

時にはストレートに

これまで紹介した方法はいずれも一癖も二癖もあるものだが、真剣に上司に相談した方がいい場合もある(上司によるが)

例えば元々割り振られた仕事量が、他の人と比べて明らかに多すぎる時。

仕事の分担表や前任者等の残業時間を示して論理的な説明をすれば、対応策を取ってもらえる可能性もある。
特にいわゆる就職氷河期世代と言われるような40代前半までの上司は優秀な人が多く、きちんと取り合ってもらえる可能性がある。

おわりに

残業を回避するための防衛策について書き綴ってきたが、最後にもっとも大事なことをお伝えしたい。

それは、自分が担当している妥当な分量の仕事についてはしっかりとこなすということだ。

自分自身の仕事をしっかりこなしているからこそ初めて生まれる説得力というものがある。
それすらせずにこれまで紹介した行動のみを取っていたとしたらそれはただのワガママな人だ。
同僚との関係はギスギスしてしまうだろう。
会社だって仕事ができない人間を置いておきたくはないから、意図的に嫌な部署に異動させて退職させようとすることもあるかもしれない。
そうなってしまっては元も子もない。

報酬が伴わない仕事の押し付けは、社会的には終身雇用制度・年功序列から成果主義への過渡期における一時的な現象なのかもしれない。
しかし、一人の人間にとってそれは無視できないほど長い期間である。

少しでも多くの人間が理不尽な残業から解放されることを願っている。

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