たった5分でわかる『「心のブレーキ」の外し方』

2006年12月に初版が発行された本。

著者の石井裕之氏は、パーソナルモチベーター。セラピスト。多数のテレビ出演経験や雑誌への寄稿経験を持ち、複数の本を執筆している。

本書は、「心のブレーキ」=「潜在意識の現状維持メカニズム」の外し方について、解説したものである。
ページ数はあとがきなども含めて約150ページ。専門用語は登場せず、文量も少ないため、短時間で読むことができる。

本記事では重要な部分を抽出してまとめている。

潜在意識の現状維持メカニズム

潜在意識には、あなたを急激な変化から守ろうとするメカニズムがある。その一方で、潜在意識は良い変化と悪い変化を区別することができない。そのため、貧乏を脱却するとか、ダイエットに成功するとかいった、本来望ましい変化をもストップさせてしまう。

これを回避するには、ゆっくりとした変化で、潜在意識を徐々に新しい自分に慣れさせてやればいい。
例えば、100ページの本を10日で読むなら、最初の1日は2~3ページだけをゆっくり読んだり、20キロのダイエットをするなら、最初の1~2キロの減量を安定させることを意識したりする。

やる気を長続きさせる方法

感情というのは、放置しておくと薄れていく特性がある。そのため、読書やセミナーで湧き上がった「やるぞ!」という感情も、放っておいたらすぐに消えてしまう。

消えゆく感情を定着させる唯一の方法は、行動を起こすこと。それも、「そのうち」ではなく「すぐに」行動することが重要。外部からの影響によって発生した「感情」という受動的な体験を、「行動」という能動的な体験にシフトさせることにより、自分のモノとして定着させることができる。

潜在意識の全体性

これまでに、現状維持を打破するやり方と、やる気を長持ちさせる方法を学んだ。しかし、これで特定の分野で大きな成長ができるとは限らない。

潜在意識には全体性という特徴がある。これはつまり、自分の中での色々な要素が、同じくらいのレベルでバランスを取りながら変化するということ。だから何かひとつだけ飛び抜けて成長させることは困難。

成長したい分野(ex.ビジネス)とは一見関係がない分野(ex.家族、ファッション、健康・・・)にも真剣に心を向け、引き上げていくことが、成長への近道。

迷ったらやってみる

意識が考えるのをやめてしまった事柄も、潜在意識は答えが出るまで考え続けるという特徴がある。例えば、有名人の名前を度忘れしてしまい、結局考えるのをやめてしまったが、後々になって、特に意識もしていなかったときにふと思い出す、という経験を多くの人がしているだろう。これは、潜在意識が答えを求めて、考え続けているためである。

ある行動について、やるかやらないか迷ったとき、やっていれば、成功するにせよ失敗するにせよ、何かしらの答えが出る。しかし、やらない場合は、行動した場合の結果を知ることはない。そうなると、潜在意識はいつまでもその行動の結果について考え続けることになり、リソースが割かれ続けることになる。リソースは有限なので、このままでは、新しい活動に全力を向けることができず、パフォーマンスが下がる。

前進するためには、とりあえずチャレンジして、結果を知り、潜在意識のリソースを解放することが重要。

今できることを考えて実行する

潜在意識には、ふたつの原則がある。

  • 時間という概念は存在しない
  • 「ないもの」は理解できない

まず、時間という概念が存在しないというのは、潜在意識にとっては「今この瞬間」しかないということ。現実世界で過去に発生した出来事も、潜在意識のレベルでは現在のことであり、事実は変えられないとしても、とらえ方により、意味合いはまったく違ったものとできる。(筆者は、「過去は、変えることができる」と表現している)

また、「ないもの」は理解できないので、「~ない」という考え方は潜在意識には理解できない。理解できるのは「あるもの」だけなのである。つまり「何ができないか」ではなく、「何ができるか」を考えることが大切。

以上の原則を踏まえると、重要なのは「今、この瞬間にあなたにできることを考え、それを実行する」ことである。

ハッタリでもいいからやってみる

どんなジャンルにおいても、はじめから実績や自信を持っている人はいない。とはいえ、実績や自信がない人を頼る人は少ない。

ではどうするか。

実績や自信があるかのように振る舞うのである。既に成功している人も最初はハッタリをかましていた。例えば、本田宗一郎は、町工場のときから「世界のホンダになる!」と言っていた。そのハッタリがお客さんを集め、実績を作り、自信へと繋がり、やがてハッタリはハッタリでなくなったのである。

成功した自分の振る舞いやファッションや生活を思い浮かべ、まずは形から合わせ、努力することで結果は後からついてくる。

まとめ

潜在意識のメカニズムや、目標を達成するための方法について解説された1冊だった。ビジネス・プライベート問わず役立つ、汎用性の高い内容である。

書籍内では、よく詳しい解説や、豊富な具体例が盛り込まれており、セラピー&コーチングのCDも付いているので、そのあたりが気になる方には手にとってみることをおすすめしたい。

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