たった5分でわかる『メンタルトレーニングの教科書』

「メンタルトレーニングの教科書」の表紙画像 健康

2021年5月に初版が発行された本。

著者の石津貴代氏は株式会社リエート代表取締役社長やON+OFFメンタルトレーニング協会代表といった肩書を持つメンタルトレーナー。

本書は、緊張や感情、ストレスをうまくコントロールし、目標達成や自己成長に繋げるためのメンタルトレーニングの方法について解説したものである。
ページ数は130ページあまり。専門用語は登場せず、文量も少ないため、短時間で読める本となっている。

本記事では、特に重要な部分を抽出して解説する。

理性の鍛錬

人間のメンタルは、「理性」と「本能」に分類できる。前者は思考全般、後者は感情や欲求に関係する。メンタルトレーニングでは、理性を鍛え、本能を上手にコントロールできるようにすることが第一歩となる。

本能を上手にコントロールするには、自分の本能が次のうち、どのタイプなのかを把握することが必要。

王様・女王様タイプ 自分が一番でないと気が済まず、命令や指示されるのが嫌い。思いどおりに物事が進まないとイライラする。
アンパンマンタイプ 人を喜ばせるためにすすんで身を削るが、それで疲弊したり、人の評価に翻弄されたりする。
武士タイプ ストイックに挑戦することが好きだが、自分に厳しすぎて疲れることもある。
猫タイプ マイペースで、他人に干渉されることを嫌う。
犬タイプ 寂しがりで、人といるのが好き。信頼する人には従順で、指示にも従う。

本能がどういうタイプなのか把握したら、それを理性によってコントロールする。なお、理性にも複数の種類があるが、目指すべきは「自律心が強く、自分の成長や努力を正当に評価し、大事な場面で思考や行動が安定している」タイプ。

目標の設定

メンタルを鍛えたいと思うのは、何かしらの目標があるから。それを可視化しておくと、効率の良いトレーニングができる。

目標設定のポイントは次のとおり

  1. 三段階(最高、現実的、最低限)の目標を作る
  2. 長期・中期・短期の目標をそれぞれ立てる
  3. 目的と動機を明確にする
  4. 最高の目標を基準に、行動プランを練る
  5. 目標達成した自分を明確にイメージする

緊張のコントロール

緊張の原因は5つに分類される。

プライド型 他人の目を意識しすぎる
コンプレックス型 内面、外見、肩書、キャリアなどの自信のなさ
トラウマ型 過去の失敗による恐怖
準備不足型 十分な準備ができていない不安
未知の経験型 未知の経験に対する不安

すべての型に共通してまずやるべきは、緊張の原因を整理して客観視すること。その上で、型に応じた対策を行う。

プライド型に対して有効な行動は、自分がその場でやれることをシンプルに考え、それに意識を集中すること。

コンプレックス型に対して有効な行動は、相手の肩書やキャリアなどに物怖じして自分を下げてしまうクセを取り除き、等身大の自分を受け入れて、できることを全力でやること。自信のなさに対しては、1日の終わりに頑張ったことを3つ思い描いたり、短所と表裏一体の長所(我慢が苦手→行動力がある)を探す習慣をつけることも有効。

トラウマ型や未知の経験型に対して有効な行動は、これから起こることに対して、いくつものパターンを気分や感情と一緒に時系列で何度もイメージをしておくこと。

感情のコントロール

マイナスな感情は、ただ抑え込むのではなく、一度受け止めてから上手にコントロールするのがコツ。

感情がマイナスになる主要因は「過去や未来にとらわれている時」と「コントロールできないことにとらわれている時」

「過去や未来にとらわれている時」は、その状態を認識することが対策となる。過去や未来を現在と切り離して考えることができれば、マイナス感情を拭うことが可能。

「コントロールできないことにとらわれている時」は、「今」「自分が」できることにフォーカスを当て、コントロールできないことは、そういうものだと諦めることが大切。

自分だけで解決できないレベルの感情は、人に話したり、書き出したり、運動や歌で発散して、不調をきたさないようにすることも重要。

ストレスのコントロール

適度なストレスはパフォーマンスの向上に役立つが、過剰なストレスが掛かり続けると、心身に悪影響をきたす。

悩みや不安、プレッシャーなどの心理的ストレスの対策は3つの段階を経ることが必要となる。

  1. 自分でコントロールできないことを手放す
  2. 今、自分にできることを考える
  3. 行動する

人からネガティブなことを言われた時は、聞き入れる/保留/無視する、の3択があり、どうするかを自分で決めると、自分の心が守れる。

集中力のコントロール

集中力を高める方法を5つ紹介する。

  • 自分の集中力が、どんなときに切れるのか確認・理解しておく
  • 過去や未来ではなく、現在できることを意識する
  • ゆっくりとした深呼吸(吐く息に意識を向ける)を、気持ちが整うまで数回行う
  • 予め、自分だけの「集中ポイント(指の指紋や、ペン先など)」を決めて、その1点を見つめながら深呼吸する
  • 予め、自分だけの「刺激ポイント(太ももなど)」を決めて、そこを叩いてから「大丈夫!」などとセルフトークし、深呼吸する

イメージトレーニング

レモンをかじる想像をするだけで唾液が出るように、私たちの身体は、実際に起こったことだけでなく、イメージしたことに対しても反応する。このメカニズムを利用することで、実際には行っていなくても、数多くの成功体験をインプットすることができる。さらに、それによって自信ややる気を高められるというメリットがある。

イメージトレーニングで重要なのは、明確なイメージを数多く抱くということ。五感や、その時の心理状態までできる限り細かくイメージするのがポイント。イメージするのが苦手は人は、まず文章で書いてみるといい。

まとめ

自分を知ること、メンタルが悪い方向に動かされる原因やメカニズムを知ること、そして対策をすることの重要さを説いた一冊だった。これらは、メンタルが弱い人向けの内容というわけでなく、高い目標の達成や、大舞台での活躍など、むしろメンタルが強い人にも役立つような内容が説明されており、多くの人にとって役立つ本と言える。

本記事では割愛したが、書籍内では、より細かいテクニックがイラスト付きで解説されているため、そのあたりが気になる方には手にとってみることをおすすめしたい。

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